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成長投資枠で高配当株:夫婦で実践する方法

「NISAで高配当株を買えば、配当金がまるまる手取りになるって本当?」「夫婦でどう使い分ければいい?」そんな疑問を持つ方は多いのではないでしょうか。

通常の特定口座で配当金を受け取ると、約20%の税金が引かれます。しかしNISAの成長投資枠を活用すれば、配当金も売却益も非課税です。夫婦2人分のNISA枠を使えば、年間の非課税配当収入を大きく育てることも可能です。

この記事では、成長投資枠で高配当株に投資するメリットから、高配当ETFと個別株の選び方、夫婦での活用パターン、そして配当金シミュレーションまで詳しく解説します。

高配当株をNISAで保有するメリット(配当非課税)

高配当株をNISAの成長投資枠で保有する最大のメリットは、配当金に税金がかからないことです。

通常、株式の配当金には20.315%(所得税15.315%+住民税5%)の税金がかかります。たとえば年間30万円の配当金を受け取っても、手取りは約23万9,000円に減ってしまいます。ところがNISA口座で保有している株式の配当金は、この税金がゼロになります。

具体的にどれくらいの差が生まれるか見てみましょう。

保有額 配当利回り 年間配当(税引前) 課税口座の手取り NISA口座の手取り 年間の差額
500万円 3% 15万円 約11.9万円 15万円 約3.1万円
1,000万円 3% 30万円 約23.9万円 30万円 約6.1万円
2,000万円 4% 80万円 約63.7万円 80万円 約16.3万円

保有額が増えるほど、非課税の恩恵は大きくなります。夫婦で成長投資枠を合計2,400万円分(1人あたり1,200万円)活用すれば、配当利回り3%でも年間72万円の配当金が非課税で受け取れる計算です。

さらに、NISAで受け取った配当金は確定申告も不要です。配当金の管理が楽になる点も、忙しい共働き夫婦にとって大きなメリットといえます。

必ず確認!「株式数比例配分方式」を設定しないと配当が課税される

NISAで配当金を非課税にするには、配当金の受取方式を「株式数比例配分方式」に設定する必要があります。これはNISA口座で配当金を受け取るための必須条件です。

配当金の受取方式には3つありますが、「株式数比例配分方式」以外を選ぶと、NISA口座で保有していても配当金に約20%の税金がかかってしまいます

受取方式 内容 NISAで非課税になるか
株式数比例配分方式 証券口座で受け取る 非課税になる
登録配当金受領口座方式 指定の銀行口座で受け取る 課税される
配当金領収証方式 郵便局等で受け取る 課税される

証券会社の口座開設時に設定できるほか、後からでも変更可能です。高配当株投資をNISAで始める前に、必ず自分の受取方式を確認しましょう。

高配当ETF vs 個別株:選び方の基準

成長投資枠で高配当投資を始める場合、大きく分けて「高配当ETF(上場投資信託)」と「個別株」の2つの選択肢があります。

比較項目 高配当ETF 個別高配当株
分散効果 1本で数十〜数百銘柄に分散 自分で複数銘柄を選ぶ必要あり
管理の手間 少ない(自動でリバランス) 多い(銘柄分析・入替が必要)
信託報酬 年0.1〜0.3%程度 なし
配当利回り 3〜4%程度 銘柄次第で2〜6%超
初心者向け度 高い やや低い

初心者にはまず高配当ETFがおすすめです。1本購入するだけで多数の高配当銘柄に分散投資でき、個別企業の業績悪化による減配リスクも抑えられます。

主な高配当ETFの例は以下のとおりです。

  • SBI日本高配当株式ファンド(年4回決算型):日本の高配当銘柄に幅広く投資。信託報酬が低コスト
  • 楽天・高配当株式・日本ファンド(四半期決算型):楽天証券で購入可能な日本高配当ファンド
  • 1489 NEXT FUNDS 日経平均高配当株50指数連動型ETF:日経平均採用銘柄のうち高配当50銘柄に投資
  • VYM(バンガード米国高配当株ETF):米国の高配当大型株約400銘柄に分散投資

米国高配当ETFの中でも代表的な3銘柄を比較すると、以下のような違いがあります。

ETF 経費率(年) 分配利回り目安 構成銘柄数 特徴
VYM 0.06% 約2.8〜3.2% 約400銘柄 大型高配当株に幅広く分散。安定志向
HDV 0.08% 約3.5〜4.0% 約75銘柄 財務健全性の高い高配当銘柄を厳選
SPYD 0.07% 約4.0〜5.0% 約80銘柄 S&P500のうち配当利回り上位80銘柄

VYMは分散効果が最も高く初心者向き、HDVは財務の安定した企業を厳選、SPYDは利回りが高い反面で値動きがやや大きい傾向があります。迷った場合はVYMから始めるのが無難です。

一方、個別株に慣れてくると「自分で銘柄を選んで配当利回り5%超を狙う」といった戦略も可能です。ただし減配や無配転落のリスクがあるため、最低でも10銘柄以上に分散することを心がけましょう。

夫婦での高配当株活用パターン

夫婦2人のNISA枠を使えば、「資産の成長」と「配当収入」を世帯全体でバランスよく両立できます。おすすめの活用パターンを紹介します。

パターン1:夫=高配当・妻=インデックスの役割分担型

  • 夫の成長投資枠(年間240万円):高配当ETFを積立購入し、配当収入の柱をつくる
  • 妻のつみたて投資枠(年間120万円):全世界株式やS&P500のインデックスファンドで資産成長を狙う

この組み合わせなら、夫の口座から定期的に配当金が入る安心感がありつつ、妻の口座で長期的な資産成長も期待できます。

パターン2:夫婦ともに「半分インデックス・半分高配当」型

  • 夫婦それぞれがつみたて投資枠でインデックスファンドを積立
  • 成長投資枠の一部で高配当ETFを購入

両方の枠をバランスよく使うことで、配当収入と資産成長の両方を目指す堅実な戦略です。

パターン3:退職が近い側に高配当を集中

定年が近い夫(または妻)の成長投資枠で高配当株を集中購入し、退職後の配当収入を準備する方法です。もう一方はインデックスファンドで長期運用を続けます。

どのパターンでも重要なのは、夫婦で話し合って世帯全体のバランスを決めることです。片方だけがリスクの高い投資に偏らないよう、定期的に夫婦で運用状況を確認しましょう。

配当金シミュレーション(保有額別年間配当目安)

成長投資枠で高配当株を積み上げた場合、どのくらいの配当収入が期待できるか、夫婦2人分でシミュレーションしてみます。

前提条件:夫婦それぞれが成長投資枠で高配当ETFを購入し、生涯投資枠の上限まで積み上げた場合

世帯の保有額(合計) 配当利回り3% 配当利回り4% 配当利回り5%
500万円 15万円/年 20万円/年 25万円/年
1,000万円 30万円/年 40万円/年 50万円/年
1,500万円 45万円/年 60万円/年 75万円/年
2,000万円 60万円/年 80万円/年 100万円/年
2,400万円(上限) 72万円/年 96万円/年 120万円/年

夫婦2人の成長投資枠を上限の2,400万円(1人1,200万円)まで活用し、配当利回り4%で運用できれば、年間96万円(月8万円相当)の配当収入が非課税で得られます。

たとえば毎月10万円ずつ(夫婦合計20万円)を高配当ETFに積み立てた場合、10年で2,400万円に達します。この配当金はすべて非課税のため、課税口座で同額を運用した場合と比べて年間約15〜20万円のメリットがあります。

たとえば「毎月3万円(年間36万円)の配当収入が欲しい」なら、配当利回り4%で逆算すると必要な保有額は900万円です。夫婦の成長投資枠をコツコツ積み上げれば、十分に手が届く水準といえます。

配当金を再投資に回せば複利効果でさらに資産は膨らみますし、生活費の足しとして使えば家計の余裕も生まれます。

リスクと注意点

高配当株投資にはメリットだけでなくリスクもあります。夫婦で始める前に、以下のポイントを理解しておきましょう。

1. 減配・無配リスク

企業の業績が悪化すると、配当金が減る(減配)またはゼロになる(無配転落)ことがあります。高配当だからといって安心せず、企業の財務状況や配当性向(利益のうち配当に回す割合)をチェックすることが大切です。ETFを選べば、運用会社が定期的に銘柄を入れ替えてくれるため、個別のリスクは軽減されます。

2. 株価下落リスク

配当利回りが高くても、株価自体が下落すれば含み損を抱えます。「配当利回り5%でも株価が20%下落したら元本割れ」という状況もありえます。高配当株は値動きが比較的安定している傾向がありますが、暴落時には大きく下がることもあるため注意が必要です。

3. 分散不足による集中リスク

個別株で3〜4銘柄に集中投資していると、1社の減配が全体の配当収入に大きく響きます。最低でも10銘柄以上、できればETFで広く分散することをおすすめします。

4. 配当金の受取方式に注意

前述のとおり、NISAで配当金を非課税にするには「株式数比例配分方式」の設定が必須です。設定方法と3つの受取方式の違いは、本記事前半の「株式数比例配分方式」の解説を参照してください。

まとめ

NISAの成長投資枠と高配当株の組み合わせは、配当金がまるごと非課税になるという強力な仕組みです。

夫婦で実践するポイントをまとめると以下のとおりです。

  • まずは高配当ETFから始めるのが初心者には安心
  • 夫婦で「高配当担当」と「インデックス担当」に分けると世帯全体のバランスが取りやすい
  • 成長投資枠の上限(夫婦合計2,400万円)をフル活用すれば、配当利回り3%でも年間72万円の非課税収入が狙える
  • 減配リスクや株価下落リスクを理解し、ETFで分散投資することでリスクを軽減

配当収入は「老後の年金の上乗せ」や「日々の生活費の余裕」として、長期間にわたって家計を支えてくれます。まずはシミュレーターで配当収入の将来試算を行い、夫婦でのNISA活用プランを立ててみましょう。


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