ふたりNISA

NISA夫婦2人分で老後資金はいくら?30年シミュレーション

「夫婦でNISAを続けたら30年後にいくらになるの?」――具体的な数字を知りたいのに、ネットで見つかる情報は単身向けばかり。この記事では、夫婦2人分のNISAで月5万円・10万円・15万円の3コースを、年率3%〜7%の3シナリオでシミュレーションします。あなたの世帯に近い数字をぜひ探してみてください。

老後2,000万円問題と夫婦NISAの可能性

金融庁の報告書で話題になった「老後2,000万円不足問題」。高齢夫婦無職世帯で毎月約5.5万円の赤字が30年続くと、約2,000万円が不足するという試算でした。

しかし夫婦2人分のNISAを活用すれば、年間最大720万円(つみたて投資枠120万円+成長投資枠240万円、これが2人分)を非課税で投資できます。30年という時間と複利の力を組み合わせれば、2,000万円は「通過点」に過ぎません。

では、実際にどのくらいの資産になるのか。月額別・年率別に具体的な数字で見ていきましょう。

試算の前提条件を整理する

シミュレーションに入る前に、試算の前提条件を明確にしておきます。

  • 運用期間: 30年(30歳で開始→60歳到達を想定)
  • 想定年率: 3%(保守的)/ 5%(標準)/ 7%(楽観的)の3シナリオ
  • 月額: 夫婦合計で設定(夫の口座+妻の口座の合算)
  • 計算方法: 積立FV(将来価値)= 月額 ×{(1+r/12)^(12×n) − 1}÷(r/12)

なお、インフレ率・税制変更・為替変動は考慮していません。NISAの運用益は非課税のため、税金による目減りがない点は大きなメリットです。

月5万円コース:30年シミュレーション

まずは夫婦合計月5万円(夫2.5万円+妻2.5万円)のケースです。世帯年収500万円〜であれば無理なく続けられる金額でしょう。

年率 元本(30年間の積立総額) 運用益 30年後の合計
3%(保守的) 1,800万円 約1,114万円 約2,914万円
5%(標準) 1,800万円 約2,361万円 約4,161万円
7%(楽観的) 1,800万円 約4,295万円 約6,095万円

月5万円でも、標準シナリオ(年率5%)なら30年で約4,161万円に到達します。老後2,000万円は保守的なシナリオでもクリアできる計算です。元本1,800万円に対して運用益が2,361万円と、元本を上回る利益を生んでいる点が複利の威力です。

月10万円コース:30年シミュレーション

次は夫婦合計月10万円(夫5万円+妻5万円)のケースです。世帯年収700万円〜の共働き夫婦に適した金額帯です。

年率 元本(30年間の積立総額) 運用益 30年後の合計
3%(保守的) 3,600万円 約2,228万円 約5,828万円
5%(標準) 3,600万円 約4,722万円 約8,322万円
7%(楽観的) 3,600万円 約8,590万円 約1億2,190万円

標準シナリオで8,000万円超。夫婦の老後を豊かにする水準です。楽観シナリオなら1億円を超え、生涯にわたって経済的な不安とは無縁の暮らしが実現できます。

なお、新NISAの生涯投資枠は1人1,800万円(夫婦で3,600万円)です。月10万円×30年=元本3,600万円は、ちょうど夫婦2人分の生涯枠上限と一致します。

月15万円コース:30年シミュレーション

最後は夫婦合計月15万円(夫8万円+妻7万円)のケースです。世帯年収1,000万円以上を想定した高額積立プランです。

年率 元本(30年間の積立総額) 運用益 30年後の合計
3%(保守的) 5,400万円 約3,342万円 約8,742万円
5%(標準) 5,400万円 約7,083万円 約1億2,483万円
7%(楽観的) 5,400万円 約1億2,886万円 約1億8,286万円

標準シナリオで1億2,000万円超、楽観シナリオなら1億8,000万円超と圧倒的な数字になります。

ただし注意点があります。月15万円×20年=3,600万円で夫婦の生涯投資枠を使い切るため、20年目以降は新たな積立ができません。その代わり、すでに投資した資産は非課税のまま運用が続きます。枠を使い切った後の10年間は「寝かせて増やす」フェーズと考えましょう。

リスクシナリオ別比較表(月10万円の場合)

月10万円を基準に、3つのリスクシナリオを10年刻みで比較してみましょう。

シナリオ 年率 10年後 20年後 30年後
悲観(低成長) 3% 約1,397万円 約3,283万円 約5,828万円
標準 5% 約1,549万円 約4,110万円 約8,322万円
楽観(高成長) 7% 約1,720万円 約5,208万円 約1億2,190万円

注目すべきは、悲観シナリオ(年率3%)でも30年後には5,828万円に到達する点です。これだけあれば公的年金と合わせて十分な老後資金を確保できます。

もうひとつ重要なのは、10年後の時点ではシナリオ間の差が比較的小さい(1,397万〜1,720万円)のに対し、30年後には2倍以上の差(5,828万〜1億2,190万円)に広がることです。これが複利効果の時間依存性です。早く始めるほど、この恩恵を大きく受けられます。

シミュレーターで自分の数字を確認する

この記事のシミュレーションは一般的な前提条件での試算です。「自分たちの場合はどうなるか」を確認するには、実際の月額・運用期間・想定年率を入力して試算することが大切です。

シミュレーターに入力する3つの数字を準備してください。

  1. 月額: 夫婦合計でいくら投資に回せるか
  2. 運用期間: 何歳まで積立を続けるか
  3. 想定年率: まずは5%(標準)で試算し、3%(保守的)も確認

「自分たちの数字」で見ると、漠然とした不安が具体的な計画に変わります。

まとめ

夫婦2人分のNISAを30年運用すると、月5万円でも年率5%なら約4,161万円、月10万円なら約8,322万円に到達します。老後2,000万円は「目標」ではなく「通過点」です。

早く始めるほど複利が味方になります。「今日が一番若い日」――その言葉のとおり、始めるのに最も適したタイミングは今です。

詳しくは「夫婦NISA完全ガイドはこちら」や「老後資金の出口戦略」もあわせてご覧ください。


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