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夫婦のリスク許容度が違う場合の配分の考え方

「私はもっと積極的に投資したいのに、パートナーは元本保証じゃないと嫌がる」――投資への考え方が夫婦で異なり、銘柄や金額でなかなか意見が合わないことはありませんか。実は、リスク許容度の違いは夫婦にとって弱みではなく「強み」になります。この記事では、夫婦のリスク許容度を可視化するチェックリストと、違いを活かしたポートフォリオ設計の方法を解説します。

リスク許容度の違いを生む4つの要因

夫婦でリスク許容度が異なるのには、明確な理由があります。

1. 年齢・投資期間
若いほど運用期間が長くなるため、短期的な値下がりを受け入れやすくなります。夫婦で年齢差がある場合、リスク感覚にも差が出ます。

2. 収入の安定性
正社員で安定した収入がある方は比較的リスクを取りやすく、フリーランスや契約社員の方はより慎重になる傾向があります。

3. 過去の投資経験
投資で利益を得た経験がある方は前向きに、損失を経験した方は慎重になりがちです。投資経験がゼロの場合は「わからないから怖い」という心理が働きます。

4. 心理的なリスク感覚
性格や育った環境によって、リスクへの感じ方は人それぞれです。堅実な家庭で育った方は預貯金を好む傾向がありますし、投資に触れる機会が多かった方は抵抗感が少ない傾向があります。

大切なのは、夫婦で違うのが当然であり、むしろ2人とも同じタイプの方がリスクは高いということです。2人とも積極型なら暴落時に同時にパニックになり、2人とも保守型なら資産がまったく増えないリスクがあります。違いがあるからこそ、世帯の資産を守れるのです。

リスク許容度チェックリスト(夫婦で実施)

以下の10問に夫婦それぞれで回答してみてください。各問で A=2点、B=1点、C=0点で計算します。

Q1. 投資した100万円が80万円に値下がりしたら?
A. 安くなった分を買い増す / B. 回復するまで様子を見る / C. すぐに売って損を確定させる

Q2. 余裕資金が100万円あったら?
A. 全額を投資に回す / B. 半分を投資、半分を貯金 / C. 全額を預貯金にする

Q3. 株価の急落ニュースを見たら?
A. 買い時だと思う / B. 特に気にしない / C. 不安になる

Q4. 投資の目標期間は?
A. 20年以上 / B. 10〜20年 / C. 10年未満

Q5. 現在の収入の安定性は?
A. 正社員で安定している / B. まあまあ安定 / C. 不安定(自営業・契約社員等)

Q6. 生活防衛資金(生活費6か月分)は確保している?
A. 十分にある / B. ぎりぎり確保 / C. 足りていない

Q7. 投資で最大何%の損失まで許容できる?
A. 30%以上 / B. 10〜30% / C. 10%未満

Q8. 投資の知識レベルは?
A. 経験豊富 / B. 基本は理解している / C. ほぼ初心者

Q9. 投資の目的は?
A. 積極的に資産を増やしたい / B. インフレに負けない程度に増やしたい / C. 減らさないことが最優先

Q10. 毎月の収支に余裕はある?
A. 余裕がある / B. 多少の余裕はある / C. あまり余裕がない

スコア判定

合計スコア タイプ 傾向
15〜20点 積極型 リスクを取って高リターンを狙いたい
8〜14点 標準型 バランスの取れた運用を好む
0〜7点 保守型 安定性を最優先に考える

夫婦それぞれの結果を見比べてみましょう。タイプが異なっていても、それは「チームとしての強さ」です。

違いを「強み」に変える世帯ポートフォリオの考え方

リスク許容度が異なる夫婦が資産配分で揉めるのは、「個人単位」で考えているからです。発想を「世帯全体」に切り替えれば、違いはむしろ強みになります。

具体的には、積極型の配偶者が成長投資枠で株式中心の運用を担い、保守型の配偶者がつみたて投資枠でインデックスファンド中心の安定運用を担当します。

世帯トータルで見れば、「攻め」と「守り」が自然にバランスされたポートフォリオの完成です。どちらか一方に合わせる必要はありません。それぞれが心地よい運用スタイルで投資を続けられるため、長期的な継続にもつながります。

パターン別おすすめポートフォリオ

夫婦のタイプ別に、おすすめのポートフォリオを4パターン紹介します。

パターン 夫の運用 妻の運用 世帯株式比率 特徴
A: 夫=積極型×妻=保守型 成長枠で高配当株・ETF+つみたて枠でS&P500 つみたて枠でオルカン+成長枠は不使用orバランスファンド 約70% 最も多い組み合わせ。攻守のバランスが良い
B: 夫=保守型×妻=積極型 つみたて枠でオルカンのみ 成長枠で個別株・ETF+つみたて枠でS&P500 約65% 妻が運用の中心を担うパターン
C: 夫婦ともに保守型 つみたて枠でオルカン つみたて枠でバランスファンド 約50% 安定重視。値動きが小さく精神的に楽
D: 夫婦ともに積極型 つみたて枠+成長枠フル活用(米国株中心) つみたて枠+成長枠フル活用(日本・新興国株中心) 約85% 高リターン狙い。銘柄の被りを避けて分散

パターンA(夫=積極型×妻=保守型)が最も多い組み合わせです。夫が成長投資枠でSBI日本高配当株式ファンドや米国ETFを運用し、妻がつみたて投資枠でeMAXIS Slim 全世界株式(愛称:オルカン)を積み立てるイメージです。

パターンD(夫婦ともに積極型)の場合は、夫婦で同じ銘柄を買ってしまうと分散効果が薄れます。夫が米国株中心、妻が日本株・新興国株中心というように、地域やセクターで分けるのがポイントです。

どのパターンにも正解・不正解はありません。大切なのは夫婦で合意した上で選ぶことです。詳しくは「リスク別の理想的な投資比率」もあわせてご覧ください。

暴落時に夫婦で狼狽売りしないためのルール作り

リスク許容度に合ったポートフォリオを組んでも、株式市場が暴落すれば不安になるのは当然です。大切なのは、暴落が起きる前にルールを決めておくことです。

事前に合意しておきたいルールは以下の3つです。

  1. 「暴落時は何もしない」を原則とする: 一時的な下落で売ると、回復の恩恵を受けられません。「下がっても持ち続ける」を夫婦の基本方針にしましょう
  2. 「〇%下がったら買い増す」をルール化する: 余裕資金がある場合、20〜30%の下落は「安く買えるチャンス」と捉えるルールを事前に設定
  3. 半年〜1年に1回、夫婦の資産会議を実施する: 暴落の有無にかかわらず、定期的に以下の3点を確認します

夫婦資産会議で確認すべき3つのポイント:

  • 各口座の残高と含み損益の現状共有
  • ライフイベントの変化(転職・出産・住宅購入など)への対応
  • リバランス(資産配分の調整)の要否

暴落時にパニックになりやすいのは、判断の基準がない状態で大きな含み損を見せられたときです。事前にルールがあれば「ルール通りに何もしない」と冷静に対応できます。

まとめ

夫婦のリスク許容度が違うのは弱みではなく、世帯のポートフォリオを強くする「強み」です。

今日から始める3つのアクションを整理します。

  1. チェックリストで夫婦それぞれのリスク許容度を確認する ――まず違いを可視化することがスタート
  2. パターン別配分から自分たちに合うものを選ぶ ――完璧を目指さず、まず1つ選んで始める
  3. 半年に1回の夫婦資産会議をカレンダーに入れる ――定期的な見直しで長期継続を実現

シミュレーターで夫婦の役割分担型ポートフォリオを試算してみてください。

詳しくは「夫婦NISA完全ガイドはこちら」もあわせてご覧ください。


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