「自分たちの年収だと毎月いくら投資すべき?」「夫婦でどう配分すればいいの?」。共働き夫婦がNISAを始めるときに最も知りたい疑問に、年収別の具体的な数字でお答えします。本記事は共働き夫婦のNISA活用を網羅するピラー記事です。年収帯に応じた推奨投資額から、つみたて枠と成長投資枠の使い分け、産休・育休中の調整まで、全体像を把握できます。
共働き夫婦がNISAで得られる最大メリット
共働き夫婦の最大の強みは、2人分の非課税枠を使えることです。
| 項目 | 1人分 | 夫婦2人分 |
|---|---|---|
| つみたて投資枠(年間) | 120万円 | 240万円 |
| 成長投資枠(年間) | 240万円 | 480万円 |
| 年間投資上限 | 360万円 | 720万円 |
| 生涯投資枠 | 1,800万円 | 3,600万円 |
1人では年間360万円、生涯1,800万円が上限ですが、夫婦2人なら年間720万円、生涯3,600万円まで非課税で投資できます。この枠をフルに活用すれば、老後の資産形成はもちろん、住宅購入や教育費にも対応可能です。
詳しくは「夫婦NISA完全ガイドはこちら」もあわせてご覧ください。
新NISAの基本:夫婦2人分で何ができるか
2024年に始まった新NISA(2026年現在も継続中)では、つみたて投資枠と成長投資枠の2つを同時に使えます。
| 比較項目 | つみたて投資枠 | 成長投資枠 |
|---|---|---|
| 年間上限 | 120万円 | 240万円 |
| 投資対象 | 金融庁が選定した投資信託 | 上場株式・投資信託・ETFなど |
| 投資方法 | 積立のみ | 一括・積立どちらもOK |
| 生涯枠の内訳 | 1,800万円の内数 | 最大1,200万円 |
| おすすめ | 投資初心者・コツコツ派 | ある程度の投資経験がある方 |
夫婦2人分を合計すると、つみたて投資枠だけで年間240万円(月20万円)まで積立が可能です。成長投資枠も含めれば年間720万円(月60万円)です。
まずはつみたて投資枠から始めて、余裕が出てきたら成長投資枠を活用するのが王道の流れです。つみたて枠と成長投資枠の詳しい違いは「つみたて枠vs成長投資枠の詳細」をご覧ください。
【年収別】おすすめ配分シミュレーション
共働き夫婦の投資額は、「手取り収入 → 生活費 → 余剰資金 → 投資額」の逆算で決めるのが基本です。
| 世帯年収 | 月の手取り目安 | 生活費目安 | 余剰資金 | 推奨投資額 |
|---|---|---|---|---|
| 500万円 | 約33万円 | 約25万円 | 約8万円 | 月3〜5万円 |
| 700万円 | 約45万円 | 約30万円 | 約15万円 | 月6〜8万円 |
| 1000万円以上 | 約63万円 | 約35万円 | 約28万円 | 月15〜30万円 |
世帯年収500万円の場合
手取りから生活費を引いた余剰は月8万円程度。そのうち月3〜5万円をNISAに回すのがおすすめです。
- 夫:つみたて枠 月2万円(eMAXIS Slim 全世界株式)
- 妻:つみたて枠 月2万円(eMAXIS Slim S&P500)
- 30年後の資産(年率5%):月4万円なら約3,329万円
無理なく続けられる金額から始めて、昇給に合わせて徐々に増額するのが現実的です。NISAと貯蓄の配分については「共働きNISAと貯蓄のバランス」もご覧ください。
詳しくは「世帯年収500万円のNISA戦略」で解説しています。
世帯年収700万円の場合
余剰資金は月15万円程度。月6〜8万円をNISAに回せます。
- 夫:つみたて枠 月4万円 + 成長投資枠 月1万円
- 妻:つみたて枠 月3万円
- 30年後の資産(年率5%):月8万円なら約6,657万円
この年収帯から成長投資枠の活用を始められます。つみたて枠をメインに、余裕分を成長投資枠に回す配分です。
詳しくは「世帯年収700万円のNISA戦略」で解説しています。
世帯年収1000万円以上の場合
余剰資金は月28万円以上。月15〜30万円の積極投資が可能です。
- 夫:つみたて枠 月10万円 + 成長投資枠 月5万円
- 妻:つみたて枠 月10万円 + 成長投資枠 月5万円
- 30年後の資産(年率5%):月30万円なら約2億4,968万円
生涯投資枠3,600万円を10〜15年で埋められる年収帯です。iDeCoとの併用も検討しましょう。
詳しくは「世帯年収1000万円のNISA戦略」で解説しています。
つみたて枠と成長投資枠:夫婦での役割分担
夫婦2人分のNISA口座では、「夫がつみたて枠メイン、妻が成長投資枠メイン」のように役割分担する方法があります。
たとえば、投資経験の少ない方がつみたて枠でインデックス投資を、経験のある方が成長投資枠で高配当株やREITを組み入れるといった分担です。世帯全体でバランスの取れたポートフォリオを実現できます。
具体的な戦略パターンは「共働き夫婦のNISA投資戦略」で、枠の使い分けの詳細は「夫婦の枠の役割分担」で解説しています。
年収格差がある夫婦の配分調整
夫婦間で年収に大きな差がある場合、収入が多い方が多めに積み立てるのが基本です。
たとえば夫の年収が600万円、妻がパート収入150万円の場合、夫が月5万円・妻が月1万円といった配分が現実的です。ポイントは「世帯合計」で考えることです。どちらの口座で積み立てても、非課税メリットは同じです。
妻が扶養内パートの場合の配分については「パート妻のNISA戦略」で詳しく解説しています。
iDeCoとの最適組み合わせ
「NISAとiDeCo、どちらを優先すべきか」という質問をよく聞きますが、基本はNISA優先です。
理由は、NISAの方がいつでも引き出せる流動性があるためです。iDeCoは原則60歳まで引き出せない制約があるため、住宅購入や教育費には使えません。
ただし、世帯年収1,000万円以上の場合、所得税率が高いためiDeCoの節税効果(掛金が全額所得控除)が大きくなります。NISA枠を十分に活用した上で、余裕があればiDeCoの併用を検討しましょう。
産休・育休中の配分調整
産休・育休中は収入が一時的に減少しますが、完全停止よりも減額して継続するのがおすすめです。
育休手当(育児休業給付金)は最初の6か月が給与の67%、その後は50%に減少しますが、非課税のため手取りベースでは思ったほど減らないケースもあります。
月1,000円でも積立を継続することで、復帰後にスムーズに元の積立額に戻せます。
詳しくは「産休中のNISA対応」「復帰後のNISA戦略」をご覧ください。
まとめ
共働き夫婦のNISA活用は、年収帯に応じた以下のアクションプランで進めましょう。
- 世帯年収500万円:まず月3〜5万円のつみたて投資枠から。無理のない金額でスタート
- 世帯年収700万円:月6〜8万円で成長投資枠の活用も視野に
- 世帯年収1000万円以上:月15〜30万円で枠のフル活用。iDeCoとの併用も検討
どの年収帯でも共通する大切なポイントは、「長く続けること」です。無理な金額で始めて挫折するよりも、月1万円でも10年・20年と続ける方がはるかに大きな資産になります。
シミュレーターで自分の年収に合わせた配分を試算してみましょう。証券会社選びについては「おすすめ証券会社ランキング」もご参考ください。